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歯が抜け替わりそうな年長さんに大人気『歯がぬけた』 [年長・小学校低学年から]

「ねぇ,○○ちゃんと○○くんと○○ちゃんは,もう歯が抜けてるよ.ぼくの歯はいつ抜けるの?」
とじれったそうに聞いてくる我が家の年長さん.人によって早い遅いはあるし,まだまだ小学校に入ってからじゃない? と答えるのですが,「いつだろう…」という期待と不安が頭から離れないようです.
そんなとき,「そういえば,はがぬけた,っていうおもしろい絵本があるんだ.歯の抜けたところにコーンをはさんだりするんだよ」と聞いて,さっそく見つけてきました.

主人公の「ぼく」が,いたずらっこであれこれヘンなことを思いつくので,読んでいておかしくてたまりません.この気取らなさと身近さがいいです.そうそう,こどもってこんな感じだよね,とうなずいてしまいます.

この本を読んで,歯が抜ける「いつか」を楽しみに待っていてね.


歯がぬけた (わたしのえほん)

歯がぬけた (わたしのえほん)

  • 作者: 中川 ひろたか
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 大型本



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教科書に載っていた挿絵はこれです:絵・箕田 源次郎『ごんぎつね』 [年長・小学校低学年から]

忘れられない場面でした.両ページにまたがって,細い銃身,銃口の先はきつねを狙い,青い煙が立ち上っている….撃っちゃダメ!

…悲劇なのだけれど,なぜか忘れたくなくて反芻してしまう.『ごんぎつね』は,私にとってそんな物語でした.確か,上記の場面も,教科書にそう載っていたのだと記憶しています.

 ただ,大人になってから「あの『ごんぎつね』の絵本はだれの挿絵なんだろう? 各社から出ているけれど,どの絵本なのだろう?」と探し探して,ようやく見つけて中を開いてみると,記憶とはやや異なる挿絵なのです.どうやら,撃つ前と撃った後を混同したうえにさらに頭の中で劇画調に改作していたようです.

 この物語がすてきに哀しいのは変わりません.ちょっとしたいたずらが不幸を呼んでしまい,罪ほろぼしにやっていることが認めてもらえない.それをやっと認めてもらえたときには… という,ある意味ありがちな展開なのですが,なんというか感情の表現が大げさでなく,どちらかというと淡々とつづられているがゆえに,胸に残ります.
でも,子供のときに感じた印象と,今読み返したときの感想とでは,いろいろ違うのだなあと思い知らされます.

 撃たれた後のごんの表情は,笑っているように見えます.
 子供のころは「やっとわかってもらってうれしかったのだろう」と素直に思いましたが,撃たれちゃったらそれどころじゃないでしょ!と今は思います.もうろうとした意識の中,ただうなずいて,なんとなく救われたような安心したような気分で意識を失っていく….そんな命の終わりのような気がします.

 生き物の命は,案外はかないものだと思います.人間につぶされたり,撃たれたりする存在ならなおさらです.その死を,美化しすぎることなく,淡々と物語が終わっているからこそ,この物語が心に残るのだと思います.


ごんぎつね (おはなし名作絵本 1)

ごんぎつね (おはなし名作絵本 1)

  • 作者: 新美 南吉
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 1969/03
  • メディア: ハードカバー



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